“Augmented Body and Virtual Body”は2006年11月9日にフランスのナントでの「ユートピアレス」のフェスティバルにて発表された。
後藤英:コンセプト、作曲
ヤン・ベアトラン:3Dイメージ
イッペイ・ホサカ:ボディスーツ・パフォーマンス
フランソワ・レオナーテ:舞台監督
ミッシェル・トロッタ:コーディネーター
フランソワ・レオナーテ、アントナン・アルトー:声
(株)イクシスリサーチ:ロボット開発会社
山崎文敬 (イクシスリサーチ):技術者
アラン・テリエ(IRCAM) : 技術協力
パトリス・ピエロ:エレクトロニック・エンジニア
テクスト:「千のプラトー」ドゥルーズ、ガタリ、「神の審判と訣別する為に」 アルトー
1. 概要
このプロジェクトのタイトル、 “Augmented Body and Virtual Body” (拡張された身体、ヴァーチャルな身体)は文字通りの意味のように、ロボットとボディースーツの拡張された身体と人工の身体のことである。人間の身体より遠隔操作され、アコースティック楽器を演奏するロボットとともにパフォーマンスを行うものである。新たな楽器を演奏することだけがこのプロジェクトの目的では必ずしもなく、人間の身体をロボットによって拡張することも主眼である。

(C) Utopiales
2. 内容の解説
このプロジェクトの前例として、アーティストの後藤英はすでに5台の打楽器を演奏するロボットを開発した。これらはRoboticMusic(ロボティック・ミュージック)と名付けられ、展覧とコンサートが行われた。

後藤英はかつてのプロジェクトにて、人間の身体の動きをセンサーで捕らえて、音楽を演奏できるシステム(ボディースーツ)を開発した。このプロジェクトではダンサーが参加して、身体の動きによって音楽を演奏するパフォーマンスが行われた。

このシステムとロボットは関連されることによって、例えば、ダンサーが空中で打楽器を演奏するふりをすれば、ロボットが実際に演奏するなどすることができる。ダンサーが指揮者の合図のような大きな身振りをすることによって、ロボットのオーケストラが動きに反応することも考えられる。

(C) Raphaël Chipault
3. プロジェクトの目的について
ロボット・オーケストラにより、劇場作品(オペラ、ミュージック・シアター)やマルチ・メディアの作品として発表することがまず第一の目的として掲げられる。ロボットは生楽器を演奏するためのものではあるが、ダンサーの動きによって反応しながら演奏するなど、人間との共演、つまり、共存が考えられている。コンサートのような演奏だけではなく、視覚的、人工と本物の身体の共存による演劇性、ロボットと人間の身体を比べられるなどのコンセプトに基づいている。

(C) Utopiales

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